親などから相続したマンションに住まないという選択をする場合、売却するのが一般的です。貸し出すという選択肢もありますが、売却すれば現金化できるだけでなく、維持管理に要する手間や費用がかからないというメリットがあります。
一方で、どのような手順で売却すべきか分からないという方も少なくないでしょう。そのような方に向けて、ここでは相続したマンションを売却する際の流れや必要書類、費用について解説していきます。
相続したマンションを売却する手順
親などから相続したマンションを売却する流れとしては、まず不動産会社に査定を出す前に住宅ローンの残高や大まかな相場を調べておきましょう。
また、修繕積立金の増額や一時金の徴収が予定されている場合、その旨を買主に説明する必要があるので、この点についても管理組合に確認しておくことが大切です。次に、マンション売却に必要な書類を準備するとともに、名義変更や荷物の撤去を行いましょう。
事前準備が済んだら、不動産会社に査定を依頼するとともに、仲介か売却のどちらの売却方法を選択するのかを決定しますが、買取は仲介と比べて売却価格が安くなるので特別な理由がなければ仲介を選択するのが一般的です。仲介で売却する場合は、その後不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約締結後、不動産会社へ希望の売却価格を伝えると不動産会社による売却活動が開始されるので、内見の準備を行います。不動産会社による売却活動と内見の結果、買い手が見つかったら売買契約を締結し、売却代金の決済・マンションの引き渡し・売却後の登記を行って売却完了です。
相続したマンションを売却する際の必要書類と費用
マンションを売却する際の必要書類としては、登記済権利証または登記識別情報、固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書、相続人の実印・印鑑証明書・住民票の写し・本人確認書類、マンションの管理規約・使用規則などが挙げられます。
ローン返済中の場合はローン残高証明書も必要ですが、場合によってはその他の書類が必要になるケースもあるので、早めに不動産会社に確認しておきましょう。
また、マンション売却時には、仲介手数料や印紙税、登録免許税(ローンが残っている場合)といった費用がかかります。仲介手数料とは、不動産会社に仲介を依頼する際に発生する費用で、マンション売却で発生する費用の中で最も高額になります。
仲介手数料の額には上限が定められており、売却価格が400万円を超える場合は「(売却価格×3%)+6万円+消費税」で算出可能です。印紙代は売買契約書に対してかかる税金で、契約金額によって金額が異なりますが、現在作成される契約書は軽減措置の対象となっています。
登録免許税は、住宅ローンが残っている物件の抵当権を抹消するためにかかる税金で、不動産1件あたり1,000円かかります。ただし、抵当権の抹消手続きは司法書士に依頼するのが一般的なので、司法書士に支払う報酬(1万円前後)も必要です。
【相続したマンションの売り方】まとめ
今回は、相続したマンションの売却手順が分からない方に向けて、売却の大まかな流れや必要書類、費用について解説しました。相続したマンションは、住宅ローンの残高や修繕積立金など把握しきれていない部分も多いものなので、不動産会社へ査定を依頼する前にしっかりと調査をしておくことが大切です。